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2013.2.23.(土)

出会うということ

 好きな映画を観ながら、人生を変えてしまう程の出会いとは一体どういうものだろうかということを考えていた。その人がいなければ全く別の人生を歩んでいたかも知れないという、そういった類の出会いだ。出会いは偶然だろうか、必然だろうか。運命や宿命は、あるのだろうか。その人がいなくても、彼は問題なくある一つの人生を生きていたに違いない。しかし、その人に出会った後では、その人なしでは今の自分の存在はあり得ないというような…。
 僕はその人にすでに出会っているのかいないのか。未だ出会っておらず、心のどこかでその存在を追い求めているのか。そうでなければ、今まで出会った人々は全て、自分の人生に影響している存在であるのか。もちろん僕にも大切に思える存在がある。しかし彼らが自分の人生を変えてしまう程の存在であるのか否か、ということは、正直僕にはわからない。どうとでも捉えられるから。
 もしかしたら僕の人生を変えてしまう程の出会いというのは、未だ来ていないのかも知れない。それは明日かも知れないし、10年後にやってくるのかも知れない。僕は今までの人生で、数え切れない程の人々に出会ってきた。僕だけでなく、誰だってそうだろう。よく見知った友達や、名前すら知らず一回切りの短い時間しか過ごさなかった人もいる。毎日顔を合わせていたはずの古い友人の中には、もう顔や名前もおぼろげな記憶の霞の向こうに消え去ろうとしている者もあるが、わずか数時間、いや数分の接触で強烈な印象を残した者もいた。
 まだ見ぬ人生の導き手を期待し待ち続けるのはロマンチックかも知れない。しかし映画を見終わった後、僕はいつも思い直す。そして声を聞くような気がする。「今、大切に思えるその人その存在を大切にせよ。もう出会っているではないか」と。移ろい人の世、人の生の中にあって、あなたと出会えた、そのことが、何だか奇跡的に思えてくる。道端で挨拶を交わすだけの老人の顔も、急に光を放ち始める。出会わなければよかったと今まで思っていた人物も、貴重なものに感じることができる。何だか言いたいことがうまくまとまらないけど、そんな風に思える。この映画もたかが映画とはいえ、大切なものに違いない。多分ね。
 一人の人間は、あまり沢山のものを持ち歩けない。きっと人間関係においてもそうなんだろうと思う。でも、自分の知っている人すべて、出会ってきた人すべて、道行く見知らぬ人すらも、何だか愛おしくなる瞬間はわずかだが確かにある。その時、世界は新鮮な色彩を僕に感じさせてくれるようになる。
 今日は何だか、いろんな人のことを思い出す。
 

“出会うということ” への 3 件のコメントがあります

  • つきこさん:

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    同年代ではない私との不思議?な出会い(縁)も、大事にしてなあ(笑)。

  • Seijiさん:

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    初コメ!ブログ拝見しました!!僕はインターネットの仕事をしながらシルバーアクセサリーの職人してる、seijiです!よろしくです。また遊びに来ます!

  • Matsunami Tetsuyaさん:

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    >つきこさん
    もちろん!

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