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ブログ2013.5.15.(水)
旅立ち
夜の空気の、草いきれの濃度が上がってきた。夏が近い。
久しぶりの投稿になります。
3月に上京して新宿ANTIKNOCKで演奏してから、大分時間が経った。もう随分昔のことのように思える。カレンダー上では2か月経っていない。しかし、もしかした何年も前のことなのかも知れない。よくわからない。時間というのは絶対尺度として、もう何千年も何百年も文明の上に君臨してきたようだが、このところ、あやふやな感覚とともにその絶対性に対する疑いが首をもたげてきたようだ。実際どうなのか知らないが、過去に何かあったことだけは事実のようだ。それは明確な映像と音声が脳裏に焼き付いているからそう言えるだけであり、証拠はない。思い出ってそういうものかも知れない。そう信じている。それが唯、証拠と言えるものなのであって。
つかの間の喧騒、つかの間の笑い声の後、俺は再びひとりになった。春の温い空気が身体と外界の境界線を曖昧にし続け、夏近くの強さを増し腕を焼く日差しだけが俺が確かにここにいることを裏付ける。自信はない。根拠もない。保証はできない。人間が存在する拠りどころは、あまりに頼りない。あまりに希薄なものの中にあって、俺が俺であること、そして俺はここにいるよということを必死に叫び、証明しようとする。なぜそんなことをしようとするのか。なぜ、そんなことをしなくてはならないのか。夜の丘に入ると、オオカミの遠吠えが聞こえた気がした。犬だったかもわからない。そもそも、そんなもの最初から聞こえていなかったのかもしれない。しかし確かに俺には聞こえた、胸の内に理性を持たぬはずの狼の、確かな存在を知らせる遠吠えを。心は燃えている。炎の色はいろいろあるが、光を放たぬ、静かに燃える青白い炎が、赤々と燃えさかる炎より高温なのを知っているか?
独りでステージに上がる、初めての弾き語りライブの日が決まりました。これより一か月の後、6月14日の金曜日。音楽をやり始めて結構長い時間が経ったはずだけど、独りでステージに上がるのは初めてです。何千年も前から、たった一人で歩き続ける旅人など無数にいたはずだし、独りでライブをやる人間だって今まで無数にいたはずだ。そもそも人間は独りで生まれてきて独りで死んでいくらしい。皆知っているはずのこと、らしい。俺はこんなに遅くなってしまったが、ようやく独りで旅に出ることにします。重大なこと、それとも別に大したことじゃない?もうどちらでも構わない。もう何も言うまい。
福井に戻ってきて、音楽仲間もまだ少ない。俺を知る客などほとんどいやしない。おそらく観客もものすごく少ないでしょう。だけどいいんだ、そんなことは。たとえそうだろうが、俺が生まれる日だ。一生忘れられない夜になる。一カ月後、そこに居合わせた人に俺の炎をお見せしよう。第一、俺自身が見てみたい、その、青く、静かに燃える炎だ。
6月14日(金)@福井CHOP
『Back Ground Music #43 アコースティックナイト!』
出演
バッカナル
Well up the Voices
松並哲也
etc…
開場18時30分/開演19時00分
前売/当日 1000円(ドリンク代別途必要)
チケットのご予約は
まで。
そしてデビューライブの翌日、何と大阪でのライブも決定してしまいました。
ホントに旅に出ることになるとはね。東京は新宿ANTIKNOCKを根城にするSEI WITH MASTER OF RAM、最近出したファーストアルバムのレコ発パーティー。『伝説のレジェンド』はすっかり名物企画。生まれて間もなく、いきなり猛者どもの宴に放り出されます、わたくし松並哲也。やれんのか?知らん。やるしかないだろ。ありがとう、印藤さん。
6月15日(土)@大阪心斎橋火影
HOKAGE presents
『伝説のレジェンド12~大阪編~』
出演
SEI WITH MASTER OF RAM
bilo’u
KIFUDOH
BIRUSHANAH
SPIRITUAL GARDEN
松並哲也
開場/開演 17時30分/18時00分
前売/当日 2000円/2500円(ドリンク代別途必要)
チケットのご予約は
まで。