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2013.5.16.(木)

1パーセントの詩

遠くのひかり-DSC_0872.JPG

 なぜ夕陽は美しいのか。それは誰も知らない。理由がないのだ。

 なぜそうなのか?人間は言葉で世界を認識している。いや、言葉でしか世界を認識できないと言った方がいいだろうか。なぜそうなのか?きっと言葉で説明できない訳ではない。言葉で認識している以上、言葉で説明しようとするし、99パーセントの事柄はきっとそれで説明できるだろう。簡単に「言葉で説明できない」なんて皆言うけど、多分それは嘘だ。

 しかし、言葉にしたくないものがある。理由などいらないものがある。邪魔なんだ。野暮と言ってしまえばそれまでだけど、言葉にしたくない以上に、言葉が力を持たなくなる、意味を失う瞬間は実は僕らの周りには沢山ある。99パーセントの残りの1パーセントがそれだ。この1パーセントに名前を付けるとしたら、我々はそれを「詩」と呼ぼう。我々は言葉で世界の99パーセントまでをも認識する。しかし、言葉はそもそも矛盾をはらんでいる。そして言葉は嘘をつく。本で読めるような「詩」、あれは言葉で綴ってあるじゃないか?いや、あれは言葉の姿を借りているだけだ。本物の音楽もまた詩だ。音の姿を借りている、詩なのだ。

 姿を持たぬ詩が、僕らの心の中には存在している。説明的言語ではないその1パーセントの詩こそが、我々が世界を完全に表現できる手段だと言ったら驚くだろうか。心に陰を落とす、何か靄のかかった領域、それこそが僕の詩、あなたの詩。世界を完全に表現することのできる可能性を秘めたもの。完全に表現できると言っても、残念ながら「説明」することはできない。不完全な言葉を補完できる唯一のものは、言葉で説明できない1パーセントの詩なのだ。

 

 海辺で無言で立ちつくし見送ったあの夕陽、それこそが、わたしの詩。

 なぜだかわからないうちに頬をつたうその涙、それこそが、あなたの詩。

 いつも見ている風景がある日を境にまったく異なって見えるその瞬間、それこそが、彼の詩。

 遠くに見える名も知らぬ家族が灯す温かな夕餉の光、それこそが、彼女の詩。

矛盾と破綻と誤解を乗り越え、人と人が手を取り合う可能性を示すもの。

…その1パーセントこそが、我々の詩。

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LIVE INFO

6月14日(金)@福井CHOP 

『Back Ground Music #43 アコースティックナイト!』
出演

バッカナル
Well up the Voices
松並哲也
etc…

開場18時30分/開演19時00分

前売/当日 1000円(ドリンク代別途必要)




遠くのひかり-IMG_4886.jpg 


6月15日(土)@大阪心斎橋火影

HOKAGE presents

『伝説のレジェンド12~大阪編~』


出演

SEI WITH MASTER OF RAM

bilo’u
KIFUDOH
BIRUSHANAH
SPIRITUAL GARDEN
松並哲也


開場/開演 17時30分/18時00分

前売/当日 2000円/2500円(ドリンク代別途必要)


チケットのご予約は

goinginside.429@gmail.com 

まで。

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