Blog
ブログ2014.7.2.(水)
何かが変わってく夜明け その2
■前回「新潟へ行く」つづき
んーどこまで話しましたっけ?『仁義なき戦い』で新潟に着いて、20組が集まったというところまでだね。さすがに20組、何十人もいると、人の名前が覚えられない。僕はソロだから、向こうは覚えてくれるわけです。松並さん、久しぶりです、とか言ってくれる。嬉しい、が、名前がわからない。その度、彼のバンドのHPに行ったりして、名前を調べる。笑 前哨戦から一緒のバンドのメンバーは、覚えてるんだけど、まだ一回しか会ってないとかだとなかなか。さて、ファイナルまでにあとどのくらい覚えられるかな。
『仁義なき戦い~新潟編』は全20組が持ち時間20分ずつ、2つのステージを使って交互に進行していくスタイル。スタートが13時半。とても早い。まだ外は明るくて、スズメがちゅんちゅん鳴いている。コバヤシタクローからスタートしたライブは、4階レッドステージと6階ブラックステージ、かわりばんこに進んでいく。僕は16時半くらいからの出番だが、間が持たず結局ビールをインストール。いかんいかん、が、もういい。楽しむスタイルだ。自分以外の全19バンド、折角だから観尽くしてやろうと決めた。
かくして僕の番が来た。が正直言うとかなり疲労と眠気があり、1曲目は歌詞が飛び飛びでした。笑 しかし調子悪いなら調子悪いなりにベストを尽くす。タダでは転ばない。2曲目からは調子も上げて、3曲目で燃え尽きた。笑 前回の新潟もそうだったが、燃えつき率100%。燃え尽きたライブが客観的に観ていいものか、ってのは怪しい話だが、そういうライブも必要なんです。だから僕はベストを尽くしたら、恥じないでいたいね。そういうライブだったんだ。良い悪いの話じゃない。ライブ後、山形から来たというお客さんと、徳島からラビットピースを追いかけてきたお客さんと話す。デモも貰ってくれました。何かしら通じたと俺は信じる。以上。
後は耐久レース。僕はビールを飲み続け、バンドは演奏を続け、階段を上下、上下、何度も繰り返し、最後の新潟Eyeless jack in Morbid Halloweenが終わるころには大分夜も更けていた。長かった。とにかく長かった。最初から最後までいたお客さんもいて、何ともお疲れ様というか、拍手を贈りたい気分であった。
さて打ち上げが酷いと評判の『仁義なき戦い』である。全20組が5階フロアーに集まり酒を飲み乱れる光景は、壮観であった。全裸で走り回る者数名、奇声を発するもの、レコ発組、ひたすら飲むヤツ、食べるヤツ。僕もだいぶ飲んだかな。もっとも僕の場合は昼からずーっと飲み続けていたんだけど。胃がキリキリする。初めて話した人もたくさんいたし、楽しかった。
2次会へ行こう、とする者を横目に、僕は車に戻って眠ることにした。さすがに体力の限界だった。車に戻る前にラーメンでも食おうと街のラーメン屋に入ったら、GLORY HOLEの三四郎達が来た。この街は仁義に染まっている。笑 車に戻ると、速やかな眠気がやってきた。立体駐車場の7階、夜の空気はひんやりしていて、窓を少し開けたまま、意識は遠のいていった。
■6月26日「郡山へ行く」
目を覚ますと、9時半を回っていた。だいぶ長いこと寝ていた。やはり疲れていたんだろう。リクライニングを起こす。喉が渇いている。コンビニに朝飯を調達しに行くことにし、車を降りて歩き出すと、身体がとても軽い。どうやら僕の身体は体力回復に大成功したようである。この立体駐車場を朝に出て、朝日を浴びながらコンビニに行く。前にも全く同じシチュエーションがあった。デジャブではない。しかし、あの時より暑く、首筋を焼く日射しも一層強くなっていた。夏が近い。
前哨戦では新潟が終わって、福井に帰ったが、今回は郡山編がある。未知の領域だ。ちょっとしたことかも知れないが、僕らはいつでも未体験ゾーンに行ける。それは我々次第だ。日常の中にもその「扉」はいくつも潜んでいる。今日という日は100年に一度、1000年に一度、1億年に一度しかない。楽しい。僕は車を走らせる。
常磐道は、緑の濃さを増していた。山々が神々しく、圧倒的威容を持って僕に迫ってくるようだ。俺たちはちっぽけだ。会津の風景を眼下に、高速道路は郡山に続いている。磐梯山は、変わらずそこにある。空は青く、太陽は輝いている。僕はウキウキしていた。
郡山の街は、何だかすっかりなじみのような気がした。駅前の風景も、CLUB#9の周辺も、すっかりなじみの街。まだ3回目なのに、帰ってきた、という気になる。そしておそらくこれからも度々訪れることになるのだろうなと。福井から高速使って7時間ほど。前哨戦では5時間で着いたので、何かあれは夢だったんじゃないかと思わされるが、結構遠い。スーパー銭湯に行くと、GLORY HOLEの面々が。ボーカルつっつーは昨夜のヒーローだ。観た人はわかるだろうが。何かバンドマンの行くところ皆同じようで、銭湯でいきなり会ってももう驚かない。笑
#9に入ると、もうファスファスとアイレスがいた。ブッキングの橋本さんもいた。この人は、独りでギター弾き語り活動をしている。言わば僕の先輩だ。CDを聴いたけど、素晴らしいのなんのって。これはいずれ皆に聴かせたい。郡山代表は知る権利、この日は2人しかまだ来ていない。学生が混ざってるのね。考えてみたら歳だって僕とだいぶ離れている。それは他のバンドの人にしたって同じなんだろうけど。でも、いろいろ刺激も受けるし、学ばされることも多い。もう何度も一緒にライブをしていると、仲間という気がしてくる。まあ向こうはどう思ってるか知らないが、僕はそう思ってます。
ツいてるズや地元アクトのTHE☆N☆PAN、GLORY HOLEも揃ったところでオープン。何か緊張感がないわけではないが、郡山独特の落ち着いたムードが心地よい。今日はみんな落ち着いてじっくりゆっくりライブを楽しみたい。そんな風に思っているに違いなかった。道理で、みんなどっしりしたライブをしていた。何だか会場がポジティブな空気に満ちていた。と、見ると前哨戦で一緒だったスリーシープやTruth&Paradoxのメンバーたちが来てくれていた。また会えて嬉しかった。彼らは本戦には参加していないけど、前哨戦はずっと一緒だったので、強い仲間意識がある。彼らに僕が成長したかどうかを見てもらいたい、ってのがある。
僕の番が来た。僕はライブ前、今日がラストライブだったら、というつもりでやりたいな、と思った。ふと、そう思った理由は特にないが、郡山が終わって、福井に帰る途中で事故に遭って、この日がラストライブになるかも知れない。その可能性はいつだってある。だけど僕らは次があると思っていつも生きている。それでもいいのかも知れないけど、僕はいつだって今日を生き切ってみたいと思っている。ステージに立った。今書いたようなことを、歌う前に観客にも伝えた。何も怖くなかった。カッコよく見られたいとか、失敗したくない、という気持ちは消えうせた。目の前にあるのは素晴らしい光景だった。最後のライブはこれほど素晴らしいものなのかな。たった4曲。しかし名残り惜しさややり残しなど微塵も感じなかった。やり切った、などとも思わなかった。最初から自然に存在したような、それでいて浮き出すような、そんなライブだったような気がする。観客にどう思われたかなんて、知りませんが。本当に気にならなかった。ただひとりひとりの顔が良く見えた。良い顔でした。
打ち上げは高級料亭「庄屋」でした。前日はカオスなムードだったけど、この日はライブ同様、落ち着いたというか和気あいあいムード。飲みの後のラーメンまでじっくり、じっくり。とても良い日になりました。
そうだ、楽屋で何かのノリで、皆でサインを書いたんだ。僕はサインをまだ持ってないから適当に書いたけど、これがまだ#9の楽屋の壁に貼ってあるらしい。次行った時もそのままかも知れない。後から見ると、何だかセンチメンタルな気持ちになるんじゃないかな。旅は、ちょっとだけセンチメンタルな方がいい。何と言われようと、センチメンタルの矢は、ずっと刺さったまま抜けない魔法だったりするからね。
また来たいね郡山。