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ブログ2014.7.30.(水)
尾道レトロスペクティブ
再び過去へのタイム・スリップ。この街はタイム・スリップという感覚がよく似合う。
7月19日、広島県は尾道。『仁義なき戦い~尾道編』だ。もちろん知っている人は知っている観光都市で、大林宣彦のいわゆる「尾道三部作」の舞台でもある。その他映画の撮影などでもよく使われ、文人が居を構えたりして、映画の街、文学の街などとも言われている。僕も昔、大林宣彦の『転校生』を観て以来、尾道に行ってみたいなあとずっと思っていた。今回仁義なきツアーでそれが叶うというので、わくわくしていた。
福井からは特急・新幹線を乗り継いで約4時間くらい。電車ならば東京へ行くのと大体同じくらい時間がかかる。新大阪までは特急サンダーバード、そこから広島の福山まで新幹線を使い、福山から尾道までは在来線。仁義ツアーも北陸、東北方面は車で回っていたが、福岡は新幹線、そして今回の尾道~大阪も電車で行くことにした。尾道の翌日は大阪梅田のライブハウスに行くが、梅田近辺に車で行きたくないからである。それに、電車の旅も風情があっていいから。
尾道駅に降り立った瞬間、僕はこの街がいたく気に入った。駅からすくそこまで海が迫っていて、駅の裏には小高い山がある。てっぺんにはお城まで建っている。海と山が同時にある風景っていうのは、「夏休み」を強く想起させる。そう、それは言うまでもなく「子供の頃の夏休み」だ。そこで育ったわけでもないのに、日本人の中にはDNAに記憶させられたような「原風景」というものが染みついているような気がする。宮崎駿の「となりのトトロ」を観たりすると、なぜだか懐かしいような気持ちになってしまう人も多いと思う。尾道はあそこまで田舎ではないけど、どことなく懐かしいような、子供の頃に戻ったような感覚を呼び覚ます街のような気がした。
ものすごく僕好みの商店街があったりして。古い建物や昔からやってるようなお店もまだ残っていて、懐かしい雰囲気。そして、商店街の脇道や路地裏をひょいとのぞくと、本当にタイムスリップしたような風景がたくさん見られて、すてき。
ここではないけど、どこかのお寺の長い階段で男女が転げ落ちて身体が入れ替わってしまう、という。『転校生』という映画での一幕。今度来たら僕もやってみよう。
瀬戸内海。向こうの島にも家々が立ち並んでいる。島へは橋が架かっていて、渡れるみたい。
そして、ここがこの日の舞台尾道B×B。スナックを改造して作られたような、はっきり言ってしまえばボロくて狭いライブハウス。壁を見れば、防音材に座布団が使われている!笑 しかし感じるのはライブハウス愛だ。尾道にはライブハウスはここだけらしい。駅からも結構歩くと距離があって、お世辞にもアクセスがいいとは言えないが、ここが尾道のバンドマンの聖地であり、愛する場所だというのを、これまた入った瞬間ひしひしと感じ、感激した。
この狭いライブハウスに、仁義なきバンドたちが大挙してやってくる。もう出演者だけで、フロアは結構大入り状態だ。笑 僕は一番目。音は、ロックな感じです。笑 本当にすばらしいライブハウス。
ライブが終わった後、ライブハウスの前にいたら、変な髪型で変な化粧のおばちゃんが自転車で通りがかって、たまっているバンドマンたちに話しかけてくる。どこから来たのかとか、今日はなんの集まりなのかとか。私の息子もね、音楽をやっていてね、今は東京にいるのよ。結構がんばっていて、なんとかかんとか、ってので1位になったりね、ほらほら、ブログもやってるの。わたしはほら、そこの角でお店をやっているのよ、健康食品を扱うお店でね、有名人にもお得意様がいるのよ。ラーメン?ラーメンの店じゃないわよ。うん、うんうんラーメン「も」扱ってるけどね。あっついわねえ、あなたたち、わたしのお店で冷たいレモネードでもどう?遠慮なんかしなくていいのよ、何か息子とダブっちゃって…みんな頑張ってるのね。応援してるわ。CDないの?おばちゃん買うわよ。いいから持ってきな。3枚くらい買ってあげるから。え、あなたタダでくれるの?いいわよ、買うわ、いくら?ええぇ!?それはだめよ。本当にいいの?ありがとう。松並さんっていうのね。聴かせてもらうわ。そうそう、あなたたち、ラーメン食べない?わたしの店はね、ラーメンも扱っているのよ。健康になるラーメンでね、有名人も結構ファンが多いの。丸山弁護士って知ってる?彼もうちのお店の常連なのよ。丸山弁護士なんて、さっきまで会ってたんだから。そうよ。おいしいのよ。ラーメン食べる?おばちゃんお店行って持ってくるから、みんなで食べなさい。賞味期限が7月28日までになってるけど、心配しなくていいわ。3ヶ月持つから。本当よ。健康になるラーメンなんだから。大丈夫。
まだまだつづく~(原文ママ)
宿を確保できなかった僕。尾道B×Bに宿泊させてもらうことに。翌日へ続く。