2014.12.31.(水)

冬の使者

　１２月第１週、上京。四谷アウトブレイク、そして西荻久保フラットでのライブのため。

　８月の東京ライブ以来、新しい音源ができるまでは、東京に行くつもりはなかったのだが、１２月６日にsassya-の初企画に声がかかり、受けることにした。sassya-は僕が一寸笑劇にいた時に対バンして知り合ったバンドで、その時はボーカルの岩上くんも別のバンドをやっていた。それが新しいバンドを組んで、もうすでにCDも２枚発表しており、この度初めての企画をやるという。何にせよ、初めての企画で声がかかるということは、光栄なことだ。それで受けることにした。

　その情報をネット上で公開したら、それを見たのか、四谷アウトブレイクのブッキングをやっている青柳仁志から連絡があった。他でやるなら、うちでもやってくれというお誘いだ。もう流れ的に受けない訳にはいかない。仁志も一寸笑劇の時知り合った男で、今はメンバーの脱退などで動きが止まっているが、the8flagというバンドをやっている。今までもそうだったが、これからも末永く付き合いがあるであろう、いわば盟友のような存在だ。彼の熱心な誘いによって、１２月５日に四谷アウトブレイクにも出演の運びとなった。店長佐藤"boone"学氏の誕生日イベントだ。

　三国からえち鉄に乗って福井駅まで。そこから特急、新幹線と乗り継いで東京を目指す。いつもは夜行バスを使ったりもするけど、時間的な都合もあり、今回は新幹線でラクラク豪華な旅になった。

　福井を出発するときは晴れ間ものぞくのどかな風景が車窓から見えていたが、北陸の空は普段はこんな感じではない。

　アウトブレイクに到着すると、もう共演のバンドたちが揃っていた。この日は初めての試みとして、バンドたちのステージの合間の転換中に客席フロアに設けられたサブステージで１曲ずつ歌うというものだった。この形は他の人がやっているのは観たことがあるが、自分がやるのは初めてで、新鮮な経験となった。この日は僕の他に６つバンドが出ていたので、合間の転換中、合計５曲歌うことになるというわけだ。まず、最初から最後まで歌う機会があり、集中力を保つのが大変だ。そしてなかなか酒が飲めない。笑　とは言っても３曲くらいが終わった時点で耐え切れず、アルコールをインストール。

　この日は名前は噂に聞くバンドばかりで、かなり実力派が揃っていた印象。形は変わったが以前やっていたバンド同士で対バンした人もいて、お互い続けていてよかったと思った。写真はアウトブレイク店長佐藤氏。彼がいかに四谷で愛されているかがわかる１枚だ（？）。東京のライブハウスの中でも異彩を放つイベントを次々と打ち出してくるアウトブレイク、佐藤氏もそんな中注目されている仕掛け人の一人。あるはるか、殺し屋ベイビー、rainbow slidersなど、すばらしいパフォーマンスを観られて、よい一日になった。

　翌６日は、西荻窪フラットで、例のsassya-企画。ポストハードコア的なバンドが多く集まっていた印象だ。当の企画者sassya-も、スティーブ・アルビニに多大な影響を受けているし、この日集結したバンドは皆、大なり小なりアルビニに影響を受けているバンドばかりだと言っても過言ではないだろう。フラットでは思わぬ再会もあったりして、時の流れを感じさせない一幕もあった。この日は企画のsassya-と、pirukuruが印象に残っている。また一緒にやれたら嬉しい。

　様々な人の様々な思いに触れ、自分の思いにも向き合った週末だった。福井に帰ってきてみると、町は白く変貌していた。目から入った雪景色が、心の中にも同じ景色を作った。冬が来た。

　翌週も上京だった。つづく。