2014.12.31.(水)

For Success

　１２月最初の東京ライブから帰ってきた翌日、僕は車を飛ばして武生（越前市）に向かっていた。武生のアイドルと自他共に認める、能勢愛子さんの誘いで、武生駅ちかくの「居酒屋平ちゃん」２階にある、練習場「SUCCESS」にお邪魔してきた。

　まず僕は武生にこのような場所があること自体最近知ったし、聞けば、武生にお住いのとある機材マニアのような人がいて、その人が機材を持ち込んだりして、スタジオ的な様相を呈するようになったらしい。ここは能勢さんが１７年間（！）に渡って主催する「実験ライブ」の会場にもなっており、写真には写っていないが、ステージ手前は座敷になっていて、座布団に座れるようになっている。僕も平ちゃん横の階段を上がって畳を見た途端、旅館の一室に通されたような錯覚を覚えた。なかなかに風変わりな音楽空間なのである。ここで練習する武生のバンドは結構多いそうだ。

　さて能勢愛子さんである。最近僕は能勢さんとカラオケに行ったりご飯を食べに行ったり、僕のライブに来てくれたり、「能勢率」が高まってきているが、元々は東京のご出身で、こっちに嫁いで来られてもう大分長く、福井での音楽活動歴自体僕などくらべものにならないくらい長い、大先輩なのである。ライブでご一緒したりもするが、非常にフットワークの軽い人で、あちこちのライブに行っている。まるで遊び盛りの女子大生のようでもある。練習も毎週のようにサクセスに入って熱心にこなしておられる。最近は芸風のチェンジを試みているようで、アニソンのカバーなどもやっている。アコースティックギター弾き語りだけど、そのカバーのギターアレンジの完成度がすごい。関係者が度肝を抜かれるほどだ。僕は若い連中にも能勢さんのライブを観てもらう機会ができればな、と思っていたら、まさに渡りに船。今度高校生バンドメガホンズの主催するライブに出演が決まった。

　大人の人でも、以前はバンドやら弾き語りやらをやっていたけど、結婚や出産を機に家庭に引っ込んでしまい、音楽活動をストップさせてしまう人が多いように思う。もちろんどうしても無理な時期はあるだろうけど、僕はひとつのライフワークとして、仕事を持っていても、家庭を持っていても音楽は続けられると思っているし、ぜひそうして欲しいと思っている。一度家庭に引っ込んでしまうと、また活動の場に出てくるのが億劫になってしまったりもするだろう。そういう人たちをもう一度引っ張り出して、また楽しく、もちろん自分のペースでいいから、音楽をやってほしいと思っている。それには先導する人が必要だと考えているが、僕は能勢さんはそういう人なんじゃないかなと思っている。丹南地区のリーダー的アイドル的存在である。

　来年もどんな活動をしていくのか、僕は楽しみにしている。