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ブログ2015.1.26.(月)
咆哮の夜(voices & words)
話は1週間ほど戻る。ちょうど、『裸の魂』の2日目が行われた翌日の、夜の話。
福井NoSiDE。福井のアンダーグラウンドを代表するライブハウス。僕がここに出演するようになったのは、ひょんなことからだったが、この日1月18日で3回目の出演となった。この日のイベントは、割と急きょ決まったものだったが、声と言葉とが交錯する、濃密な夜になりそうだったので、即答でオファーを受けさせてもらいました。
雨ノ日ノ男。僕は彼の紹介によってノーサイドに出演するようになったのである。が、この日は彼と共演するのは結構久しぶりだった。ご一緒したいと思い、実は『裸の魂』にも誘っていたのだが、予定が合わず断念したのだった。ローリングストーンズや、ビートルズ、ボブ・ディランの魂を受け継いだような言葉が、日本語でしゃがれ声に乗って飛び出してくる、フォーク詩人だ。最近は寒空の下、路上ライブなどもやっているらしい。
撮影:田辺朋宏さん
僕は2番手。ノーサイドの音は、ロックで気持ちよかったです。
3番手、本間章浩さん。「赤と黒」など、バンドをやっているが、今回は弾き語りということで。恥ずかしながら今回の共演によって初めてお名前を知ったのだが、僕はここ最近、彼ほどのすさまじい弾き語りをやる人にはお目にかかっていない。全身全霊を擲つような咆哮と、ギターのすべての弦を切らんとせんばかりのストロークと。ライブ中にこの人は血を吐いて死ぬんじゃないかと思うくらいのステージだった。もちろん、弾き語りにも色々ある。しかし、彼はすごかったな。年齢を聞いてさらにビックリ。僕もまだまだだと思わされた。
皇帝魚。そんな凄まじい本間さんのパフォーマンスもどこ吹く風、ギターを鳴らし、声を発した瞬間に、異世界への扉を開く。皇帝魚は、本当にすごいロック詩人だ。彼の声と言葉とで、僕や会場にいる人たちはいつでも知らない世界に足を踏み入れるという体験ができる。弾き語りの可能性を感じずにはいられないし、個の作り出す世界がより顕れてくる、そんな弾き語り、というものの魅力を改めて噛みしめている。
Flesh For Frankenstein。ノーサイドのカリスマ、タナカテツヲ氏率いるニューウェーブ、いやもう言い切ってしまいたい、「王道ロックバンド」と。それくらいの音と言葉と、イメージの広がりを感じさせるバンドだ。奇など衒わず、どこよりも愚直にロックしている彼らの姿は、涙すらにじんでくるのだ。テツヲさんも50歳。信じられないと言うほかないが、福井にも目標にできる人がいてくれるのは、本当にうれしい限りだ。僕も50になるころ、彼のように堂々と歌っていられるだろうか。
福井ノーサイド、今年も素晴らしいお話をいくつもいただいてます。注目して下さい!