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ブログ2015.5.18.(月)
尾道レトロスペクティブ・アゲイン
『SUPER ROCK CITY ONOMICHI 2015』に出演のため、昨年の夏ぶりに尾道に向かった。早朝に福井を出発し、鈍行列車を中心にゆっくり向かうことにした。福井のJR芦原温泉駅から(僕の家でJRの最寄りはここ)、新大阪までは特急を使い、そこから鈍行を乗り継ぐ。
相生にて。キオスクのおねえちゃんに「この辺の名物は何?」と聞くも、「特にない」とのことで、アナゴの干物的なおつまみを買う。とても暖かく、ベンチでのむハイボールがよく回る。
やってきた電車は黄色かった。良いな。電車の色や型、乗っている人たちの趣も、行く場所で違っているような気もする。けど、やっぱり同じ気もする。それぞれの場所でそれぞれの毎日を送っているが、悲喜こもごもは結局どこへ行っても同じ。旅気分と親近感が入り混じる。
出発から7時間半。昼過ぎくらいに尾道に着いた。イベントは翌日だが、前日に所謂「前乗り」したのは、ゆっくりと尾道を堪能したかったから。宿もとった。
尾道駅前は、初夏の香りを漂わせていた。戻ってきた、気がする。
僕は尾道ラーメンが好きだ。けど人気店は行列がものすごいから、早速駅前の手近な店に入った。この店は前来た時にも入ったことがあって、思い出の店なのだ。思い出先行だが、おいしかったよ。
雲が多いが、悪くない天気だ。前回は行けなかったが、今回は山の上に登りたいと、いや登るんだと決めてきた。あの城は一体。。
宿にチェックイン。ホテル、というかユースホステル的な宿だ。築60年以上たった民家を使った宿。客室には2段ベッドが3つくらいあって、他の宿泊客と相部屋だ。いわゆるドミトリーという感じかな。男女部屋が分かれているのかな、と思ったが、男女も国籍も関係なく同室だった。僕はほとんど宿にいなくて寝に帰ってただけだったから、それほど他の人とは交流がなかったけど、僕のとなりは白人の若い女性だった。上の段に寝ていたのは、スポーツマンみたいな日本人のお兄さん。何か面白いな。
宿のオーナーに尾道のことを色々教えてもらって、出かけた。ロープウェイに乗りたい。
ロープウェイで山の上に登ってきた。ここは千光寺山。頂上には、千光寺や美術館、レストラン、公園などがある。尾道の街が一望できた。
恋人の聖地にひとりで来た。こういう恋人の聖地って、日本各地にある気がする。そして錠前を買って締める、というのも結構あちこちにある。僕のまわりでは恋人たちがガッチリ恋の錠前をかけている。心の中で、人間は鎖でつなぐこともできないし、錠前かけることもできないのになあ…と思う。ははは。
頂上の公園のネコ。呑気の神様。カップルにお腹を撫でられ、機嫌を損ねてどこかに行ってしまった。
川のように見えるが、海だ。対岸は向島。いくつも島が連なっていて、橋で行き来できる。島と島を結ぶ街道は「しまなみ海道」と呼ばれていて、四国は愛媛の今治まで行けるらしい。いつか渡ってみたい。
帰りはロープウェイを使わず、歩いて下りた。狭い道、急な坂、階段。古いお寺や民家がまだ残っている。昭和の、夏休みという風情だ。その風情を醸し出すように、千光寺山ではすでに蝉が鳴いていた。僕の好きな塔もあった。五重の塔が大好きだが、三重の塔でもいい。
尾道らしい風景。
さて、この日は散策だけではない。急遽ライブをすることになった。今回の『SUPER ROCK CITY ONOMICHI』の首謀者である、今谷修司氏。彼は尾道で唯一のライブハウス「尾道B×B」の店長であるが、僕が前乗りすることになったのを知るや「イベントの前夜祭ライブがあるから出て欲しい」と誘ってくれて、出演することに。と言っても、一人一曲勝負の弾き語りイベントらしく、20人ほど出るらしい。
BBに入ると、すでに沢山の人がいた。仁義で知り合ったスタッフやバンドマンと再会。とにかく酒をたくさん飲みながら、ワイワイやる会。こういう一人一曲で飲み会がてら、みたいなイベント、僕も福井でやりたいな、と思っていて。案の定というか、非常に楽しい会でした。
僕の名前が最後に…。
カホンの叩き語り(笑)からスタート。出るつもりなかったのに、出ることになっちゃったみたいな人がいて、面白すぎた。1曲だから、普段やらないような人も出やすいのかな。
マジックショーなども挟みつつ。いいな。漫才とか落語とか、ダンスとか、そういうのと混ぜても面白いよ。そういうのも、やりたいね。
途中で電池が切れてしまったから全員撮ることはできなかったけど、仁義で一緒だった元ALiVEのゆきちなども歌ったし、今谷氏は何とビリー・ジョエルを熱唱。僕は2曲やらせてもらえた。飲み過ぎてグラグラだったけど、本当に楽しかった。
尾道にライブハウスは一軒しかないからか、ライブハウス愛の純度が高い、そんなライブハウス、B×B。ライブ後は今谷氏らと、翌日の会場のひとつでもあるOYE COMO VA(オエ・コモ・ヴァ)というブルースバー的なお店へ。飲みつつ、今谷氏らと話した。尾道に対する想いがハンパない。
ひとしきり飲んで、解散。夜の尾道をフラフラ歩きながら、宿へ戻る。
昼間の観光客が沢山いる風景とは違って、夜の尾道は静か過ぎるくらい静かだ。時が止まったようだ。
宿に戻る。疲れていたのか、一瞬で世界はブラックアウトした。
翌日につづく。