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ブログ2015.5.18.(月)
尾道レトロスペクティブ・アゲイン その2
尾道の早朝。程よく涼しく、夏の予感を含んだ風が首元を撫でる。僕は朝の尾道を歩いた。この日も狭い路地から見える千光寺山が美しい。雲の多かった前日とは打って変わって、青が抜けるような、5月の晴天の朝だ。
海沿いに歩いて駅前まで来た。あの頂上のお城は、偽物らしい。宿のオーナー曰く、バブル時代に建てられたものの廃墟らしい。「ただの廃墟なのでおススメはできませんよ」と言うので、「僕は廃墟が大好きでして」と返すと「廃墟マニアには申し訳ないような建物ですよ」
結局今回は行けずじまいである。次回のお楽しみに取っておこう。
商店街の味のある喫茶店で朝ごはん。朝カレーである。マスターにカレーをくれと注文すると?「えっ!?」と苦笑い。朝からカレーを食べる人は珍しいといった顔だ。カレーの後はアイスコーヒー。
散歩しているとジワジワと気温が上がってきて、影が段々短くなっていった。宿の方に戻ると、人気ラーメン店の店先にはなかなかの行列ができている。ここは尾道ラーメンの人気店「朱華園」だ。行ってみたいが、行列に並んでまでものを食べることをしない性格なので、いつかタイミングよく入れたらいいなと思う。
暑そうだ。
そうこうしているうちに、この日のイベント『SUPER ROCK CITY ONOMICHI』の受付がライブハウス尾道B×Bで始まった。もうすでに沢山の出演者が集まっている。中に入っていくと、徳島のラビットピースがいた。昨年の夏ぶりの再会だ。変わりなく、元気そうだ。
受付を済ませた後、桟橋の方に戻り、通りがかった店で冷たいビールを注文。まだ午前中だ。ピザも食べたし、どんどんライブモードから遠ざかっていく。これではいけないと、1杯で切り上げる。
フェリーに乗って、対岸の島「向島(むかいしま)」にも渡った。
渡し船が生活に根付いている場所だ。
観光客が多い市街の方と違い、とても静かで穏やかな空気が流れている。
時が止まったようなお店でラムネを飲んで、市街の方に戻る。
ライブのスタートは尾道B×Bから。すでに地元の若者たちが集まっている。皆楽しそうだ。
ラビットピースを観に来たこの会場は「OYE COMOVA」前の日もお邪魔したが、入口のドアが閉まらないほど人でごった返している。大盛況だ。お寺の方のライブも始まりそうだったので、ラビットピースの演奏の途中で自分のライブ会場である「妙宣寺」に向かった。
幽世の…という感じでもなく、割とオープンな雰囲気のあるお寺、妙宣寺。
入って目を見張る。何と言う素晴らしい会場。
PA卓の前に座っているのはどうやらここのご住職…、普段からコンサートを開いているお寺らしいが、それはご住職が音楽好きだからのようで、この日も合間のBGMはソウルミュージックを中心に(しかもちょっとマニアック気味)、通なチョイス。
ライブが始まった。地元からSORA。いくつくらいだろう。高校生くらいかな?初々しくもしっかりとした歌にギター。曲もオリジナル。家族がたくさん観に来ていたのが印象的。
2番手、地元の高校生らしい、みっしぇる。ピアノも歌もプロ級。逸材だなあ。
ケイマトビ。島根の門脇大樹くんと友達らしい。二人でシンプルなそれでいて練り上げられた歌を聴かせる。
スエザワヨシミチ。岡山から。どうやら彼のバンドは『仁義なき戦い』の、僕の前の年の岡山代表らしい。50ccと言ったかな。観客を煽る、しかしユルさが楽しい。
地元のa-dabo。彼らの出番前から急激に混みはじめ、会場が人で一杯に。人気があるんだなあ。7人編成のアコースティックユニット。ボーカルギター、ベース、パーカッション×2、リードギター、エフェクター使い、バイオリン。大変賑やか。
お次は僕の出番。気持ちよく歌えました。ありがとう。
草地大輔。彼も岡山からのようだ。穏やかなようで、内に秘めた思想や思いは激しい。そんな気がした。
深居優治。最初から最後まで、一続きの、演劇的なライブ。足元はエフェクターの要塞、もはや弾き語りでもなくアコースティックでもない。鬼気迫るライブ。
深居くんで終了した妙宣寺のライブ。他の会場はまだやっているようで、僕は駅前のJohn Burgarに向かった。ハンバーガーショップ。
中ではこのサーキットイベント最終出演者となる「我龍」が演奏中。尾道出身のドラム+和太鼓のバンドだが、ワールドツアーも行っているようで、何と前日はドイツ(!)でライブしていたらしい。この日のために大急ぎで尾道に戻ってきたということだ。もう会場の熱気が凄すぎて、冷房が全く機能していない。イベント自体の熱を体現するような、そんな時間。
これですべての出演者のライブが終了。僕は打ち上げが始まるまで、宿に戻って待機することにした。シャワーを浴びて、着替え、横になって打ち上げ時間を待つ。
が・・・・
朝になっていた!
また来ます、尾道。