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2015.7.14.(火)

たまにビバップがかかるような場所(翼持って)

 自然が僕らに見せる光景は、時々不自然なくらいに完璧だったりする。人工的なものの不完全さを思うと、世界はあまりにも完全だ。人間は、いつも完全を夢見ている。もっとできる人になりたいとか、あの人よりも力を持ちたいとか、失敗しないようにとか。4000年も5000年も前からそういうものになるために、一体どれだけの努力がなされてきたのか知らないが、成功した例はまだ一件もない。自然が完全であるのは刻々と変わりゆく瞬間において、二度と同じ表情は見せないことによる究極の不完全さによるものだとして、人間がそれとどう違うというのだろうか。空に生えたあの翼のように、僕らも翼を持ちえないなどと言うことが、なぜ言えるのだろうか。

 日曜日に、僕は福井駅前にいた。7月25日、7月26日に春江マロンパラダイスで開催予定の『裸の魂vol.4』に出演するNater(ナター)さんの路上ライブを観に。丁度Facebookを開いたら告知していたから、よし、行ってみようとなったわけだ。場所は福井駅東口の広場。西武とは反対の、えち鉄側の出口。

 この日は猛暑の始まりで、30数度まで気温が上昇。午後2時は一日のうちで最も気温が高い時間帯だ。そんな炎天下の猛暑の中、日陰ではなく直射日光をギラギラ浴びて彼は歌った。彼が世の中に言いたいことの、そんな歌だった。あまりに暑いため立ち止まって聴く人は多くはなかったが、熱を帯びた言葉が、夏の熱された空気の中に溶けることなく放たれたようだ。

 僕は夏の空が好きだ。大きな塊のような、巨大な山脈のような入道雲を見て、あの雲の向こうには一体何があるんだろうと子供のころいつも思っていた。今も、思っている。自分の力ではどこにも行けなかった子供のころと違い、僕はきっとあの雲の向こうに行くことができると思う。想像力は、捨てないで。

 そんなこんなでナターさんのライブを観ていたら、頭がクラクラしてきて、身体が痺れてきた。これはよくないなと思って、彼に別れを告げ、福井駅前の古本屋「好文堂」に入った。駅前に来るといつも行く場所だし、涼しいと思って。僕が汗だくで入っていくと、「大丈夫?」と冷たいお茶をくれた。よっぽどひどい顔をしていたらしい。お茶を飲んでしばらく扇風機で涼んでいると、身体の調子が戻ってきた。最近探している本について話をした。僕は福井関連の本を集めている。目当ての本はなかった。桜木図書館なら多分あると言われ、行ってみることにした。

 AOSSAの4階にある桜木図書館の福井関連コーナー。すごい蔵書数だ。目当ての本もあった。でも借りるのはまた今度にしようと思い、外に出た。

 福井にはそこまで高い建物がないので、ここら辺が限界だ。なんか高層立体駐車場とか、ホテルの屋上とか、秘密の場所が見つけられたらいいのにな。もう僕もここ2年半以上福井に住んで音楽活動しているから、どこに行っても大体知り合いに会うようになった。それはそれでありがたい限りだ。僕を知ってくれている訳だから。田舎の良さだなあと思う。でも、だからこそ誰も知らないような秘密の場所を見つけてみたい、とも思う。そう、やっぱり場末の喫茶店の、一番奥まった席がいいのかも知れないな。たまにビバップがかかるような店。あるかな。探してみたい。

 これを書いている時点で、明日、の催し物です。平日。こうやって公然とお知らせをしているわけだけど、そんな一番奥まった、たまにビバップがかかるような、そんな雰囲気で、やれたらな、と思う。15日(水)@福井フラットキッチンの2階で、待ってます。

■7月15日(水)@福井フラットキッチン

『語り部たちの夜~吉井ミキを迎えて』

楽器弾き語り、詩の朗読、アカペラ歌唱、パントマイム、お笑い、演劇、ダンス。各種パフォーマンスを10分程度で披露して下さい。自由参加制につき、誰でも参加できます。19時半開場、エントリーを開始します。マイクなどはありません。すべて生音・生声でのパフォーマンスでお願いします。

吉井ミキライブ21時~

参加・観覧1000円(飲食物持ち込み自由)

会場19時半

開催20時~22時くらい

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