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2015.7.20.(月)

街角の語り部

 7月15日(水)@福井片町フラットキッチン

 詩の朗読会『弾かず語り』開催のタイミングに、新潟からシンガーソングライター吉井ミキがツアーに来るというので、ならば弾き語り企画とミックスしてしまえ!と組んだこの企画『語り部たちの夜』。詩の朗読会『弾かず語り』の第一回開催はここフラットキッチンで、その後は場所をS-Gardenに移したが、戻ってきた形になった。S-Gardenも好きだが、ここはここですごくムードのある会場で、窓から片町の夜の灯りが見えるのが僕は何より気に入っているんだけど。

 吉井ミキは夕方くらいに福井に到着。生まれて初めての福井。彼女との出会いは僕が今年1月に新潟にツアーに行った時だった。それから半年後にこういう機会でまた会えるというので、僕は楽しみにしていたし、福井のみんなにも会わせたいと思っていたし、どうせならさらに新しいアイディアを企画に盛り込んでさらに楽しく、さらにクリエイティブに、さらに挑戦的に、それでいてどこかしらリラックスしたような、そんな場を作りたかった。それに加えて、僕がやはり最近考えているのが、「平日夜に音楽なりアートなりのイベントを開催し、それなりに人を集めて、内容も良いものにする」というのがある。福井では平日にイベントを開催して集まる、という「概念」があまりない。ライブなどは土日にやるものだという意識がある。でも土日が休みでない人もいるし、そうでなくても平日夜を有効活用することは、必ずできると思っている。これはその一つの提案です。

 という訳で、会場をセッティングしたらとても素敵な雰囲気になった。いい意味でフラットキッチンの手作り感が映える。リラックスしたムードを、会場そのものが持っている。

 今回は初の試みとして、福井で楽器のクラフト/リペアショップを立ち上げた山田竜巳くんの「TATSUMI GUITARS』に出張してもらい、「無料楽器診断会」を並行して開催することになった。これが急造ではあるけど、タツミギターズのブース。会場の空気からかも知れないが、とてもカッコ良く見えたな。

 早速、吉井ミキのギターを診断。彼女のギターは、国産の「アストリアス」というメーカーのもの。フレットの状態や、弦高、ボディの状態などを診断して、どのようなメンテナンスをすればよいかとか、修理が必要な場合はいくらかかるか、などの簡単な見積もりも出してもらえる。僕も日ごろから彼の工房にお世話になっている。彼が開業することによって、楽器に対する意識も変わってくるのではないかと、僕は思っている。

 とくに状態は悪くないということで、フレットだけピカピカに磨いてもらい終了。これだけでも見違える印象になった。手入れの行き届いたギターというのは、弾いていて気持ちよさそうだ。

 

 そうこう言っているうちに人も集まってきて、スタート。吉井ミキは25分間のライブを行うが、それ以外の人は10分程度で何かしらの表現をする「オープンマイク」的な時間である。

 1番手は「しょうゆ」アカペラ2人組。1曲ヤマモモ抽出物が伴奏で参加。いいな。アカペラ。もっとやる人増えればいい。

 2番手は僕。3番手は能勢愛子。

 4番手、道場明子。

 5番手、イセユウ。弾かず語らず。

 5番手が終わった後、吉井ミキのライブタイム。彼女の歌声が福井に、片町の夜に響く。窓の外は片町の夜の交差点。不思議な感覚だ。

 ヤマモモ抽出物。朗読+弾き語りで。

 ここで、いつもはお客さんとして来ている方なので写真は遠慮させていただくが、m.ロジャー氏が朗読で参加。こういう、普段ステージに立たない人でも、やってみたい、と思わせるのが、『弾かず語り』の魅力なんだろうか。純粋に、一人の人が自分も何か表現してみたい、と思うのは、とても美しい衝動であると僕は思っている。結局人間が言いたいことなんてそれだけなんだから。「僕はここにいるよ」ってこと。


 最後は高橋隆造。

 20時から始めて、終了してみたらちょうど22時くらい。平日のイベントなので、これくらいがちょうどいい。翌日に疲れを残さず、何なら明日の活力にできるような。そんなささやかだが密度高め、集中力高めのイベントにできたら、何も言うことはないと思う。

 そして今回は、『弾かず語り』での慣習を踏まえて、音響装置なしのイベントであったこと。これが何よりのポイントであると思っている。僕などはライブハウス主体で活動しており、生声で歌う機会は、実はあまりない。いつもマイクを使っている。なので人間から直接に発せられる歌声で聴かせる、というのは珍しいことなのだ。やってみた結果、色々なことがわかったし、参加した皆も考えることはあっただろうと思う。こういう「完全アンプラグドライブ」というのは度々やっていけたらなと思っている。

 あと、詩の朗読と楽器弾き語り以外のパフォーマンスをする人がもっと増えると、我々のクリエイティブなレベルは、さらにどんどん上がると思います。アカペラのみならず、漫才や落語などのお笑い、ダンス、パントマイムなどのボディ・アート、大道芸とかでもいいと思う。こういう繋がりがもたらす広がりは、大きい。

 終了した後は、吉井ミキらと片町で食事。福井でも輪が広がってよかった。解散後彼女は宿に、僕は翌日の東京に備えて帰宅。充実した平日だった。

 

 次回『弾かず語り』開催が決定しています。お気軽にどうぞ。

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