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2014.6.18.(水)

ダッセえロックバンド


BON JOVI 『CROSS ROAD』

 小学校高学年から中学校3年くらいまで、とある私塾に通っておりました。近所のおじさんがやってる私塾で、家から歩いて5分くらい。週に一回、科目は国語、数学、英語。通ってる同学年の子はみんな何と言うか幼馴染みたいなもので、私塾とは名ばかりで、ほとんど勉強もせず置いてある漫画を読んだりだべったり…先生は先生で「俺のことは先生と呼ぶな、オッサンと呼べ」とか言ってる共産党員で、かみさんに逃げられ独り身で…何だか変わった人でした。共産党員だったので、まあ昔は当然のように学生運動にも血道を上げていた感じでしょう。「よく覚えておけ。この世で最も、いや唯一美しいのはレジスタンスだけだ。抵抗することこそが美しいのだ」などと口癖のように言っておりましたね。要はアカなんですわアカ。笑

 このオッサン、僕が中学生になって音楽に興味を持ちだしたころ、塾メイトとエックスがどうのこうの聖飢魔Ⅱがどうのこうの話してたら、「おい、お前ら洋楽は聴かんのか」と言う。「聴かん、だって英語やもん」と言うと「英語はわからんでも、ギターはわかるやろ」と言って、アレコレ勧めてくる。「エリック・クラプトンを知ってるか?何や知らんのか。ヴァン・ヘイレンは?ギターの名手だぞ」

 その時はふ~んくらいしか思っていなかった。後にクラプトンもヴァン・ヘイレンも聴くことになるのだけれど。とある日、オッサンと塾のみんなでボーリングに行くことになった。まあ塾の恒例行事だったわけですが。隣町のボーリング場に向かう車の中で、このCDが流れていたんですね。BON JOVIのベスト盤、『CROSS ROAD』。へえ、結構カッコいいな。「オッサン、この人誰や?」「これか。これはボンジョビや。バンドや」

 このボンジョビのベスト盤、僕が買った「初めての洋楽CD」です。買ってから、しばらく聴いていると、歌詞が英語だからよくわからなかったけど、段々耳に馴染んできて、音の響きだけで英語っぽくソラで歌えるようになったりしていました。とにかくボンジョビはキャッチーで曲がいい。ほら、少年たちも洋楽にのめり込んでいくと、段々いきがりだすでしょ。笑 ファッショナブルなものだとか、思想的なもの、過激なものにより傾倒していくわけ。そうすると、ボンジョビなんかは「ダサい、イモい」のレッテルを張られる代表的なものになってしまうわけですよ。ロックバンドらしい毒があんまりないんだ、ボンジョビって。で、なんかジョン・ボンジョビだって顔はまあいいけど(でかいけど)、ファッションがイモ臭いでしょ。ケミってるジージャンにバンダナ巻いて、ほれ、マラカスなんか持っちゃってさ。ダッサいんすよ。笑

 それで昔はボンジョビ好きだったのにも関わらず、だんだん「ダサい、聴いているのがバレたら馬鹿にされる」という理由(?)でみんな離れていくんですよね。僕もそうでした。笑 でも、後年改めて聞くと、その曲の良さ、歌の良さ、演奏の良さに「いいなあ…」って思ってる自分がいました。売ってしまったけど久しぶりにオリジナルスタジオ盤をそろえてみたりして。いいんですよね、ボンジョビ。笑 ファーストから「These Days」あたりまでなんて、最高ですよ。その後は売れ線過ぎて賛否両論ですが、僕はいいと思います。

 この盤は、ホントに妥当なベストヒット集と言うか、バランスがいいです。歌がいい。曲がいい。演奏がいい。アンサンブルがいい。とにかく、「良心的なロックバンド」って感じがしてますね。確かにボンジョビは毒がないし、ダサい。しかし、薬じゃダメなんですか?ダサいけど、何かホッとするような存在ではダメでしょうか?ボンジョビは、そういう存在です。

 そういう訳で、僕もたまにCD棚からボンジョビをひっぱり出してきては「ダッセえ。でも、いいなあ」なんて言ってニヤけながら聴いているんです。音楽ファンも、トッポいものに走って、ポーズ決めて戻ってこないようじゃダメですな。かぶれっぱなしじゃ、かえってアレですよ。ダサいも含めてですよ、こういうのは。

そうそう、昔のアンタと同じですよ!笑

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